また、目を閉じた。
緩やかに死にたくて。

午前二時。

眠るのが怖い。
時計塔が鐘をうつ。

時は私たちからあらゆるものを奪っていくから。
柔らかな陽だまりや、
繋いだ手の温度。
笑み。言葉。親しみ。

影は地平線の彼方へ遠く伸びていく。
黄昏。

去ってゆく電車に置き忘れてきたものを、
どうしたら取り戻せるだろう。

ごめんなさい。
貴方に貰ったものをわたし、なくしてしまいました。

涙じゃ返せないことは知っていた。
ごめんなさい。
鐘の音は闇に溶ける。
それは時のせいではない。
私のせいだ。

By 竹環

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